わたしのネコの闘病記③

年が明けてからも、悪いながらも安定した状態が続いた。血尿も落ち着いて(真っ赤な尿ではないということ)いた。起きているときは10分に1回くらいの頻度でトイレに行っていたが、絶え間なくトイレを出たり入ったりする発作のような症状は、病院に行った日以来、わたしの在宅時に限っては再発していないようだった。留守のときはわからないが、床に尿のしずくもなかったので、発作はなかったのではないかと思う。

皮下輸液で頻尿状態が悪くなる気がしていたので、通っている動物病院に対しては「真冬に頻尿のネコを病院に連れて行きたくない」と伝え、わたし(人間)だけが通院して抗生物質、止血剤、腎臓の血流を向上させる薬を処方してもらって飲ませていた。この頃、トイレは6カ所に増やしていた。

また、この頃突然元気が出て遊びをねだるようになり、実にひさしぶりに新しいネコおもちゃを買ったが、長年使い続けているおもちゃがいいようだった。

3月中旬に突然食べなくなったが、かつおぶしなどの好きなものや、これまでは塩分が気になっていて与えなかったちくわを解禁すると、それが刺激になって食欲がもどった。だが、明らかに食べる量は減り体重は2.1キロくらいになった。3キロ前後の小柄なネコだったが、体重減少は1年以上前から始まっていた。便がゆるくなって回数も増え、頻尿だけでなくお腹も含めて体全体の調子が悪いのだろうと想像できた。

4月に入ると少し調子が上向いた。調子がよいというのは、トイレに行く回数が減り、甘えたり遊びをねだるような状態のこと。ひどいときは絶え間なく行き来するという状態なのだ。

5月、鳴きながら絶え間なくトイレを出入りするひどい発作が起こった。わたしは友人の獣医師に電話で相談した。「自分のネコがこの状態なら、ネコのQOL向上のためにステロイドを投与する」とはっきり言われ、わたしはステロイド投与を決意した。近所のかかりつけの動物病院ではステロイドの説明は一切なかったので、わたしだけが隣県の友人の動物病院に行き、ステロイドを処方してもらった。あとは郵送で対処してもらうことにした。

ステロイドの効果で食欲が増え、下痢気味だった便はコロコロのものに変わり、それだけでもうれしかった。食欲増加はすさまじく、朝4時ころに起こされた。それでも健康な頃を思えば食べていないのだが、ステロイドの効果とはいえ、ガツガツと食べている姿はうれしかった。ただ、頻尿はマシにはならなかったが、明らかに真っ赤な血尿は見られなくなった。

ステロイドの効果がいつまで続くのか――。効果がなくなったときは、その先の時間がないことは理解してた。わたしが願うのはネコが苦しまないこと。苦しまずに旅立ってくれることだった。