ネコの写真

わたしがネコを飼い始めたころ、デジカメの出始めだった。ネコを迎えた日の記念撮影はフィルムカメラだったが、それから半年も経たないうちにデジカメを買った。ネコがいなければ、もっと遅い導入だったと思う。

わたしは写真撮影が苦手だ。絞り、シャッタースピードの関係といったことはさっぱりわからない。開き直るわけではないが、カメラという機械にどうしても興味が持てない。

それでもネコがいると写真は撮りたくなるのだが、へたくそでかわりばえのしない写真ばかりなので、「同じような写真を撮ってもなあ……」と5年くらいほとんど写真を撮らなかった。撮影してもデータを保存しなかったこともあると思う。ネコが老けるわけではなし……と思っていたからだ。

今、すごく後悔している。へたくそな写真でも数多く撮っておいた方がいい。

貴重な子ネコ時代はもちろん、大人ネコになってからも、撮りまくるべきだ。

写真のデータは日付というか、撮影年月がわかる程度のファイリングでいい。あまり緻密に整理しすぎるとそれが目的みたいになってイヤになる。適当でいい。

ネコが死んでからしみじみ感じたことだが、写真にはネコの姿だけではなく、わたしとネコが過ごした時間が残っている。

幸いデジカメは撮影日だけでなく、時間も記録されている。特に夜中の2時3時の撮影したような写真だと、思いはより複雑になる。

夜中にネコとたわむれていた若い自分……。記憶のプロパティがよみがえる。誰に見せるものでもない。自分が見るだけのものと割り切って、へたくそだろうがピンボケだろうが、数が多いほど慰められる。

ネコを亡くしたわたしがいうのだから、まちがいない。


デジカメを買ったばかりの頃。へたくそ写真。