つぶせて? つぶして?

サラダオイルボトルの捨て方の説明「つぶせて」が気になっていた。わたしは「つぶして」だと思っていたのだが、ボトルの説明文は長い間「つぶせて」になっていたのだ。


このたび、めでたく?「つぶして」に変わっていてスッキリはしたが、どういう経緯をたどって変わったのかが気になっている。こういうものは、一度世の中に出てしまうと変えづらいし、極端な話、社長が「つぶせて」が正しいと思っていると、白いモノが黒いモノになる道理が働いて、誰も指摘しない。わたしも仕事でクライアントの明らかな言葉遣いのまちがいを指摘しても受け入れられないことがよくある。「辞書にない」というのは通用せず「ネットにあった」がまかり通るし(ネットにあるから正しいなんてのはまったく根拠がないというのは、読者のご認識の通り)、「上司がそう言っている」となったら、どうにもならない。

まちがえたまま世に出てしまったら、わたしとしては「誰かにまちがいを指摘されたらわたしのせいにするのだろうな……。できるだけ人目につきませんように」と不信感でいっぱいになり、せっかく作ったのに「人目につきたくない」なんていう後ろ向きな思いを持ち続けるしかない。

「つぶせて」よりも前から気になっていたのが、ネット上の一般人の書き込みの「甘やかせて」だ。これは明らかにまちがいで「甘やかして」が正しい。

文法的な説明は自信がないので、適当に書くが、「●●して」が「●●せて」となってしまうのは、関東が多いらしい。

関西では「させて」を「さして」、「(仕事を)すませて」を「(仕事を)すまして」、「(書類を)送らせてもらう」を「(書類を)送らしてもらう」などと言う。また、「●●して」というのは古い言い方にも感じると思う。そのため「甘やかして」という言い方も、関東の方では関西弁または古くさく感じられ「甘やかせて」が正しいと思い込んでしまうみたいなことをネットの記事で読んだことがある。まあ、ネットなので信憑性は確かではないが、わたしはすごく納得できた。

わたし自身が「仕事すましてから行くわ~」というときは、身も心もとっても関西人である。関西人の衣を脱ぎ捨ててちょっと気どるときは「仕事をすませてから行きます」と言う。

若い頃、会社で仕事の文書の書き方は「ですます調」ではなく「である調」で書くようにみたいなことを指導され、それはなんら問題なく正しいのだが、同期の仲間と「ですわますわ調」はアカンの?などとふざけていたことが思い出された。これは冗談としては低レベルすぎるが、根っからの関西人の部長が書いた企画書に「(人に)●●をさせる」と書くべきところを「(人に)●●をさす」と、「ですわ、ますわ」なんぞをはるかに超えたホンモノの関西弁で書かれていたことがあった。

その部長は、若い者からの指摘でも受け入れられるフランクな人だったので、石川県出身の新入社員が「『さす』は関西弁ですよ~」とあっけらかんと言い、「うっそぉ?『さす』は標準語ちゃうのん?」とボケてみたり、「関西人には気づかれへん(意味:気づくことできない)かったなあ」とホメてみたりしながら、みんなで笑って終わった。