美猫石鹸

わたしのネコは17年の猫生で3回くらいしか風呂に入っていない。
理由は単純。臭くならなかったからだ。
ネコがこんなに臭くないものだとは知らなかった。
わたしのネコは短毛種。お腹も丈夫だったので、お尻もきれいだった。背中をくんくんしても、腹に顔をうずめても臭くなかった。「わたしのネコ」のにおいがした。いいにおいでもないが、イヤなにおいではなかった。しいて文字に表すなら「かわいいにおい」だった。

ウチの子になりたての頃、お迎えのネコ用品としてシャンプーも買っていたので、使いたくて2回ほど洗ってやったと思う。ただ、かなり水をいやがって大暴れするし、ドライヤーはまったくダメ。それでも、ウチの子になりたてだったし、わたしもたまに洗ってやってふわふわの毛の感触を楽しみたいと思っていたが、嫌がり方を思い出すと、三度(みたび)洗ってやろうという気になかなかならなかった。

3回目のネコ洗いを決意するに至ったのは「美猫石鹸」をもらったから。
美猫石鹸の写真のプロパティは、2002年6月19日。2歳の頃だ。わたしのネコをつれてきた友人からもらった。
こういうものをもらうとさっそくネコ洗いをしたくなる。この頃はデジカメを持っていたので、写真に撮った。


シャワーをかけるといやがるのだが、桶にくんだお湯をかけるのはそんなにいやがらなかった。いやがることがわかっていても、風呂に入れられたのは、ネコが若くて体力があることがわかっていたからで、病気で弱ってきたときは体が汚れてもとても風呂には入れられなかったなあと、また、つらかった頃を思い出してしまった。

結局1回しか使わなかった美猫石鹸は、わたしが洗顔用に使った。これ以外にわたしがネコのお下がりを使っていたのがパックのかつおぶし。封を開けたてが好きだったからだ。
毛除けのために座布団に巻きつけるバスタオルや水を入れる食器は、ネコがわたしのお下がりを使っていた。

ネコの思い出を書くときはいつも、楽しかったことと悲しかったことが同時に思い出されてしまう。つらいことだが、「17年生きた猫生の重み」として、ときにわき出る悲しい思い出も受け止めていく。