事務所の大家との戦い

平成の大横綱を自分に引き寄せて語るのは気が引けるが、わたしは元・貴乃花親方に対して多大なる敬意を抱いているので許していただきたい。

この話の続き。

わたしは去年、タチの悪すぎる事務所の大家に対して調停を起こしたが不調に終わった。わたしが負けたとは思っていないが、わたしが引く(事務所を退去する)ことで、不毛な戦いに自らピリオドを打った。
納得したのではなかったので、1年近く経っても鎮火できない怒りのマグマを抱えていたのだが、貴乃花親方(いちいち「元」をつけると読みにくいので)が日本相撲協会を辞めた報道を見て、「天下の貴乃花親方でも勝てないのだもの、仕方ないか」とようやく気持ちが平静になってきた。

壁一面の大きな窓が開放的で気に入って借りたのだが……。すっかり黒歴史。

今さら大家のあくどさを列挙しても仕方がないのだが、電気代をごまかし、問い合わせたことに対しては詭弁を弄し、日常の管理は怠慢……とにもかくにも信頼できない人物だった。
大家は本業が司法書士であったため、わたしは勝手に信頼できると思って契約に至った。しかし、契約を断れないような状況(その前の事務所には退去手続きをとり、引っ越し業者も依頼し、まさに荷物を抱えてそこまで来ている状態)で、「この条件だったら契約しないわ」というような重要な情報を後出しされ、あくどい大家の物件に引っ越す前から顔が歪むほど不信感を持たされた。

引っ越したあとは事務所管理の怠慢な業務を指摘し、不都合が起こって交渉するたび、その大家は「お互いの信頼関係ですから」といいながら、ロクな対応をしなかった。わたしがついにぶち切れて調停を起こした際の答弁書(わたしの申立に対して反論する文書)では、「信頼関係が破綻していたと思料する(だから出て行け)」と書いてあった。
わたしは電話で「信頼なんかしてないから」と言ったことがあるのだが、最後の交渉となった調停の答弁書にまで「信頼、信頼」と無意味に書かれていた。
ありきたりすぎる分析だが、大家はよほど人に信頼されていないと思われた。仕事を介する相手との関係はその間に「信頼」がなければ成り立たないから、「信頼ですから」なんて、あえて口に出す言葉でもない。そもそもわたしは、仕事においては人に信頼されないようなことはしないし、もし、信頼を失ったのならそれを挽回する行動で表す。
大家は不信感を持たせるような行動しかせず、口先だけで「信頼、信頼」と言ってヘラヘラしている。
バカというか、ビルのテナントをバカにしているのだと思う。とことんタチが悪い。

調停では、不動産業界のオッサンと、消費者ナントカ活動をしているオバハンの2人が調停員として出てきたのだが、わたしの味方ではなかった。
消費者ナントカ活動のオバハンに至っては、わたしが主張している電気代のごまかしについて理解しておらず(電気代については、非常にややこしいので興味のある人は直接問い合わせてください→そんな人いないと思うけど)、「電力会社の料金値下げ告知が誇大広告と問題になっている」とか、「自分が住んでいたマンションの電気代の話」を持ち出してくる。電力会社の告知は誇大広告ではないし、しかもわたしが起こした調停とは何ら関係ない。それに、マンションなど住居の電気代と事業所の電気代は契約形態からして根本的に違う。
オバハンの知識不足というより人選ミスだ。だって、わたしは事業者なので消費者問題ではないのだもの。
不動産業界のオッサンは、わたしの申立の内容を理解していないようだった。
大家が行っているビル管理のあくどさは、想像を絶するというか想像を下回るレベルの低いあくどさ。要するにふつうの人が想像できる範囲にはない妙なことをわたしに対してするのだ。
大家の答弁書は詭弁を弄しているので、当事者であるわたしが読んでも理解できない。調停員なんか読む気も起こらないだろう。

とにかく、調停においては、調停員が理解していなかったので、戦いの土俵に上がることすらできなかった。
調停員からみれば、わたしも世間一般がイメージする貴乃花親方のように「めんどうくさい人物」に映っていたことと思う。

結局、勝つのはカネを呼ぶ大きなモノを持っている方だ。わたしが争った件でいえば、ビルを持っている大家がカネを呼ぶ大きなモノを持っている。結局「気に入らなければ出て行け」となり、出て行かなければますます嫌がらせをされる。
人に相談しても「そんな思いをしてまで、居続けることもない」と言われるだけだし、「大家相手にケンカしたら、結局は出て行くことになるのはあたりまえ」と、苦しんでいるわたしに対する思いやりのかけらもなく片付けられてしまうこともある。

関係のない人にとっては「目くそ鼻くそ」で、調停員からみたらテナントのわたしが「鼻くそ」だろう。
世の中にはどちらが正しいかは別にして、味方もつかず、勝てない戦いがある。自分の親しい人にすら理解してもらうのもむずかしい。孤独な戦いだ。
スッキリするための解決策はなく、自分の心の中で折り合いをつけて怒りを追い出すしかない。

わたしは大家との顛末を自分の中で収斂させるためには、文章にするしかないと思っていた。誰の役にも立たないが、ブログに書くと決めたが、なかなか書けずにいた。書き始めても、大家の悪行を細かく書いてばかりで先に進まなかった。腹が立ったこと、あきれたことはここに書いたことの100倍はある(大げさではない)。

今回貴乃花親方の報道を見て考えたことをきっかけに、自分の気持ちを一歩先に進めることができた。
怒りのマグマを鎮め、気持ちを平静に保たなければいけないが、この顛末を忘れてはもったいない。こんなに苦しんだのだから、大家(住居ではなく、小さな事務所)との戦いに困っている人がいたら、力になりたいと思う。今、思うのはそれだけだ--とカッコよく締めたいが、まだクソ大家に対しては腹が立っているのが正直なところだ。