東京「辨松」「弁松」弁当食べ比べ

グルメ情報番組か雑誌で「べんまつの弁当」というのを知り、いつか食べてみたいとず~~~~っと思っていた。

どういう経緯でそうなったのかは知らないが「弁松」と名の付く店は、二つあった。正しくは歌舞伎座前の「木挽町辨松」と、日本橋の「弁松総本店」で「辨」と「弁」とが異なるので出発点はまったく異なる店なのかもしれない。わたしが最初に知った店は歌舞伎座前の「木挽町辨松」だが、写真を見る限り弁当の雰囲気も似ており、「二つのべんまつ」を食べてみたくて仕方なくなった。ところがわたしは関西の人間。東京出張がなければどっちにも行けない。さらに食べ比べとは言っても一度に二つの弁当はムリ。そこで、二度の出張を使っての食べ比べという気の長い計画となった。

↑木挽町辨松 赤飯二重 950円(税抜き)
↑日本橋弁松総本店 並六赤飯弁当 1,150円(税抜き)

一回目は2018年2月の東京出張で、歌舞伎座の向かいの木挽町辨松で、二回目は2018年12月の東京出張で、銀座三越の地下の日本橋弁松で買った。結局どっちも銀座で買った。木挽町辨松は本店だったので、できれば日本橋弁松も日本橋の本店まで行きたかったのだが、そのほかにも東京で買うべきおいしいもの(これは別の機会に)があり、日本橋まで行くことは断念した。

わたしは関西の人間なので、しょう油の味が勝った東京風の味にはあまりなじみがない。東京の本場のあさりの佃煮なんかはしょう油味が濃すぎてちょっとな~と思ってしまうし(錦松梅は好きだけど)、気どっているわけではないが京都の「ちりめん山椒」のほうがあっさりして好きだ。

……と、東京の弁当なので「あまじょっぱい」関西風に言うところの「甘辛い」単純な味なのだろうと思っていた。

実際に食べてみて、たしかにあまじょっぱい味だったがすごくおいしかった。さすが東京。田舎くささがなく、洗練されたあまじょっぱさである。「これは誰がなんと言おうとこういう味。これがウチの店の味」という説得力があった。いろんな技術があるのだろう「知りたい!」と思ったが、わたしは手づくり至上主義ではなく、「プロにしかできないおいしい味は、わざわざ買いに出向いておいしくいただく」主義なので、この弁当はこれからも東京のお楽しみにしようと思った次第。

さて、細かい感想だが、両弁当とも赤飯の感じが関西とは異なった。買ってから食べるまでの時間があった(東京で買って大阪の自宅で食べた)からかもしれないが、ふっくら感が足りないというか、米が細いというか。まさか米がタイ米のように東京と大阪で違うわけもないとは思うのだが、なんか違うのだな~。赤い色がうすいってのもある。東京は「あずき」でなく「ささげ」を使うとか聞くが、関西の売っている赤飯ってのはたぶん着色してるのだろうと思うけど、けっこう赤いのだ。

日本橋弁松のホームページには

お祝いの席に欠かせないお赤飯。きれいなピンク色がおめでたさを演出します。赤飯というのは、小豆の入ったお強(おこわ)のことです。お強とは、米を蒸したもののこと、「こわい」という昔の「かたい」の言い方から由来しているのです。なので、普通のご飯よりは堅物なんです。「ちょっと固い」というお客様からのご感想が来るのはこわいのですが、普通のご飯よりは堅物なのです。

http://www.benmatsu.com/taste/okazu.html

と書いてあるので、持ち帰る時間に乾燥したのではなく、固いのが正解で、東京風なのだろうと解釈した。

おかずは両弁当とも甘い煮豆がたっぷり入っていて、「煮豆をおかずにごはんかよ!」と思ったが、最後にお茶といっしょに食べればなんら問題なし。煮物、玉子焼きもすべてあまじょっぱいが、全部同じ味ではなくそれぞれ味が違うので、食べていて楽しいのだ。これが、プロのつくる弁当だ。素人は、ほとんど同じ味になってしまう。だから飽きるし、なんたって野暮ったい。

やっぱり東京だなー、洗練されてるなーと思った食べ比べであった。 で、どっちがおいしかったのかということだが、実に甲乙つけがたし。ただ、最初に食べたのが木挽町辨松の弁当で、オドロキが大きかったので印象深いという点では木挽町辨松。歌舞伎座を背に本店で買えたのもうれしかった。やっぱり日本橋弁松も本店に行くべきであった。

新たな課題と楽しみができた。近々東京での仕事に呼んでもらえないかしら。