個人情報バカの壁

ウチの郵便受けのカギはダイヤル式ではなく、個々に用意した南京錠などで施錠するタイプだ。築15年ほどなので格別古いわけではないのだが、南京錠だ(わたしはダイヤル式でない理由をなんとなくわかってはいるが、それを説明すると場所が特定できるなどの不都合があるので、割愛する)。

郵便受けを開けようとしたところ、南京錠がなかったので、落としたのだと思って管理人に「南京錠の落とし物はなかったか?」と問い合わせた。すると「なかったです……」という返事のあとに「あ!」とハッとしたような顔をして、管理人室にメモを取りに入った。
そのメモを見ながら管理人はこんなことを言った。

●わたしが自分の郵便受けではなく、一つ上の郵便受けに南京錠を施錠していた ●わたしに電話することができないので、建物の管理者が南京錠を破壊した

以前にも自分の郵便受けの一つ上の郵便受けに南京錠をかけたことがあり、その際は立ち去る前に気付いてかけ直したが、人間が犯すミスとしてはポピュラーなものに分類されるだろう(なんだかデカイ話になってしまうが)。
そのミスは100%わたしが悪い。
だが、だが、だが……だ。

「わたしに電話することができない」というのはいったいどういうことなのだろう。管理会社には、連絡先を伝えている。緊急時の連絡用だ。今回の件は緊急時ではないのか?
南京錠を破壊されたことに文句を言う筋合いがないのはわかっているが、南京錠のかけ間違いが考えられるのは、間違えられた郵便受けの「上、下、右、左」の4箇所だろう。その部屋番号の住人に順に電話をして、「間違いました。今、自宅なので解錠に降ります」ということになればいちばん平和に解決できるのではないか。

おそらく管理人側の言い分は「電話番号は個人情報だからわたしの了解なしには電話をかけられない」ということだろう。というか、管理会社の本社の確認を得ないとわたしに連絡ができないというような社内ルールがあるのだろう。
だけど、電話ってこういうときにこそ使うものではないの?
電話をかけるには許可が必要で、南京錠をちょん切るのには許可が要らんのかよ?
個人情報たって、わたしは管理会社に伝えているわけで、なんの問題があるのだろう。
この時節、不謹慎な例だが部屋が火事になっていても、本社の確認がとれなければ、留守にしている住人に電話ができないというようなことだろうか。
目の前に電話も住人の電話番号のリストもあって、部屋がボーボー燃えていても、個人情報を利用してもいいですよという許可がないと連絡できないの?

アホちゃうか?

今どきの若い人の「個人情報バカ」や「電話は人の時間を奪う迷惑行為」という発想をを上回るバカっぷり。個人情報の壁なのかバカの壁なのか。
そもそも電話番号って、世の中とつながるためのものではないの?
もちろん、それを悪用した犯罪があるからの規制だとは思うが、「管理会社」「住人(わたし)」「明らかに住人(わたし)が原因と思われる不都合」があった際に電話をすることもできない個人情報管理ってなんだ?

以前使っていたモノ(ちょん切られたモノ)と同じモノをAmazonで購入。前に買ったときはネコが死ぬ前々日に手元に届いたことをよく覚えている。前回も今回も手渡しでなく郵便受けに入っていた。郵便受けの南京錠を触るたびにネコのことを思い出してしまう