ヘンな人のヘンな暮らしをノゾキ見したい

丁寧な暮らし派ではないが、ヒマで経済的にも余裕のあるときは1パック250円くらいの小粒イチゴがあれば、イチゴジャムをつくったりする。けっこう面倒だけどおいしさには代えられない

関西ローカルだが、土曜日の午後5時から「住人十色(じゅうにんといろ/以下、十色)」という番組が放送されている。Wikipediaで調べると2008年4月スタートだから、今年14年目の長寿番組だ。
タイトルの通り、一般人のこだわりの家を紹介する番組だ。古くて恐縮だが同じ見せびらかし系の「渡辺篤史の建もの探訪(以下、探訪)」とはかなり趣が異なる。まあ、わたしも「渡辺篤史の建もの探訪」なんて、地上波では30年くらい前に見た記憶しかなく(関西ではもう放送してないのでは?)、たまにBSかCSでチラリと見るくらいである。

「十色」は探訪に比べてリーズナブルな家が多いような気がする。はっきり言うと安っぽい家が多いのだが、いちばん大きな違いは“家に対するマインドの違い”だ。「探訪」は、タイトル通り建物自体にこだわっているのだろう。「十色」の方は住み方というか、暮らし方に強いこだわりを持つ、わたしの大大大大大キライな「丁寧な暮らし系」の方々がよく登場なさる。
築60年のばーちゃんの長屋を500万でリフォームしたとか(事例は適当)、都会でWEBデザイナーをやっていて、仕事と都会の生活にくたびれ果てて古民家買ってイナカに夫婦揃って移住し(移住すると補助金出たりするのよね)、職住近接というか家ん中でWEB仕事して、畑やって、サーフィンもやって、近所のじーちゃんに野菜もらって「近所づきあいがうれしい」とか言ってる30代とか(事例は適当)。

その暮らしぶりはわたしの感覚では「ヘンなこだわり、ヘンな人」。仕事に集中していたらイナカ暮らしなんぞできないし、「丁寧な暮らし」も、薪をくべて飯を炊く丁寧より、仕事丁寧にしてミスをなくしてちょーだいな、と思ってしまう。
いちばん思うのは「今はアドレナリンが出まくって楽しいかもしれないけど、5年もしたら飽きる」ということだ。これも古い例で恐縮だが匠がリフォームするビフォーアフターで、造り付けの収納家具が入って「何をしても片付かなかった家が片付いた」と涙を流して喜んでいた一家を5年後に訪問したら、ビフォーに戻っていた、なんてのも何回か見たような気がする。人は飽きて元に戻るか、前よりヒドくなったりするのだ。
また、イナカ暮らしの濃厚な近所づきあいは甘くない。最初はチヤホヤされて楽しいかも知れないが、土地の人も最初はめずらしがっても飽きてくるし、基本、ヨソ者にはキツイ。実際にそれでイナカ暮らしをあきらめた人を知っている。また、いくらオンラインだのテレワークだの言っても、取引先にはるばる出かけるような遠方に住んでいては仕事にならんのだ。

先週の「十色」は夏の特別企画みたいなので、タレントの収納王子コジマジックの収納御殿訪問という企画だった。もちろん収納にこだわりまくった家なのだが、通常の週に出演する猛者に比べるとフツー。収納技術は素直に「すごいなー」と思ったけど、なんか面白くない、いつもと違う。わたしのアドレナリンが出ない。
そのときわかった。わたしは「ヘンな人のヘンな暮らしをノゾキ見したい」のだ。そしてもう一つのナゾも解けた。メインの司会は松尾貴史なのだが、皮肉屋のイメージがあったのだが楽しそうに見ているし、あからさまにケチをつけたりもしない。何より14年も続けているのがフシギだった。なんのヒネリもない番組だったから。きっと松尾貴史も「ヘンな人のヘンな暮らしをノゾキ見したい」のだろう。
早くオリンピックが終わって、通常のヘンな人のヘンな暮らしのネタをやってほしい。世の中いろんな人がいるからおもしろいし、生きていることに飽きないのかも。こだわり過ぎた家は5年で飽きると思うけどね。

こうやってジャムをちまちま生産してため込むと、アドレナリンが出るというか、ハイで楽しい気分になるので、もしかするとわたしの前世は「丁寧な暮らし」派?ヤダヤダヤダヤダ~